おぎの湯とかけてかふぇ&ほーる「with遊」と解く、その心は?

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荻窪駅から徒歩約8分の所にある、かふぇ&ほーる with遊には、ビジネスマンやカップル、近所に住む主婦…様々な人が訪れます。ここは、元々おぎの湯という銭湯でした。銭湯とカフェって一見全く違うものだけど、実は共通する想いがあるのです。マスター・田辺恵一さんに、その想いについて伺いました。

―田辺さんが銭湯の仕事を始めたのはいつ頃ですか?

田辺 昭和25年に両親が荻の湯をOPENしました。昭和41年に新しく銭湯を建て直したのですが、そのとき私は大学に入学したばかりで、まだ経営にはタッチしておらず。いずれは仕事を継ぎたいと思っていたけど、大学生活は謳歌させてもらい、大学4年の頃から銭湯の仕事を手伝うようになりました。

結婚して二人三脚の人生スタート!

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田辺 で、大学卒業後に本格的に銭湯の仕事を始めたんです。その前から、銭湯の仕事は女性が経営にタッチしてくれたほうが有難いと思っていたところ、たまたま卒業後、テニスが縁で女房と知り合い、24歳で結婚しました。

銭湯は家族団欒・コミュニケーションの場

―実際に銭湯の仕事に携わるようになり、なにか感じたことってありましたか?

田辺 当時、銭湯といえばどこも番台があったけれど、僕は、できたら番台はないほうがいいと思っていたんです。番台って、もともと監視の役目で作られたものだから、ロッカーの普及でその役目も少し無くなった。銭湯は家族団欒の場といいつつ、休憩所のような場所もなく、コミュニケーションの場としての役割を果たしていなかった。かといって番台をやめてフロントを玄関正面に設置すれば、それでいいの?と自問自答したわけです。そして、みんなが好きなことをして寛げるスペースを作ろうと決めたのですが、親の手前すぐに建て直しするわけにはいかず。

ようやく昭和58年におぎの湯を再度、建て直しすることができ、二階建てにしました。当時二階建ての銭湯はかなり珍しく、マスコミの取材もひっきりなし、という感じでしたね。
正式名称は荻窪の荻をとって荻の湯ですが、取材の記事を読むと荻の湯(おぎのゆ)が萩の湯(はぎのゆ)になることが多かったのでおぎの湯に統一することにしました。

何でも楽しめるおぎの湯ならではのスペースを目指して

―二階は、どんなスペースにしたのですか?

田辺 二階に楽しいことがないと、お客さんはわざわざ二階に上がってくれない。まず読書スペースをつくったけど、それだけじゃダメだよねと。その頃、ビデオがちょうど世に流通し始めたので、早速ビデオデッキを置いたんです。レンタルビデオを借りて、ここに来れば自分がレンタルしたビデオを見られるようにした。最終的には店にも2000本位の作品があった。そのほかに、様々なアスレチック器具も。ほかの銭湯にはないスペースを作りたかったので、コンサートやイベントなどもやったなぁ。

―アスレチックコーナーには、どんなものを置いていたんですか?

田辺 主に筋トレなどの運動器具を置いていました。ちなみに、運動器具は、夜遅くにやっている通販のテレビ番組で買ってましたね。お客さんが来たときに、あ!この器具がある!と喜んでくれるのが嬉しくて。でも、あれって家庭用に開発されているので、使用頻度も少ないことが前提で。うちは多くのお客さんが使うから2週間くらいでダメになっちゃうことも(笑)
一日じゅういるお客さんもいましたよ。2階で勉強してからお風呂に入って、今度はビデオを見たりと夕方来て夜10時頃までいる学生さんとか。

―ほかの銭湯にはないものが、おぎの湯にはあったのですね。

田辺 そう!話題性があって、おぎの湯ならではのサービスがあることが大事なんだ。ここにしかないことをしたかったんだよね。入浴料を払うだけで、お客様のニーズに沿ったオンリーワンの色々な無料サービスを提供する。それって、当時の銭湯にはないサービスだったから画期的だったと思う。いかに付加価値をつけるか、だよね。

付加価値でお得感そして満足感を

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―付加価値ですか?

田辺 たとえば同じ400円でも、ほかの銭湯だったら入浴しかできないけど、おぎの湯には2階というスペースがあるから、プラスαいろんなことが楽しめる。2階というスペースがある故の付加価値が生まれるんだよね。

―なるほど!おぎの湯ならではの付加価値があるから、ほかの銭湯とは全く違うポジションを築くことができたのですね。とにかくいろんなニーズを満たすスペースにしたいから、飲食も持ち込みOKにしたとか。そんな、地域の人に愛されたおぎの湯が2006年4月に閉店したのは、何かきっかけがあったのですか?

田辺 銭湯のタイルや配管がだめになるのは、ほぼ20年位のサイクルだから、大体どこの銭湯も20年位でリニューアル(中普請)するんだよね。23年たったとき、さてこの先どうしようかと思ったの。銭湯の未来を考えると、自分がやりたいことは全部やりきったという想いがあり、じゃあ次は、人が集まるスペースを作ろうと。

大人だって遊べる場所がほしい

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―地域の人の憩いの場として生まれ変わったのが、2008年5月8日にOPENしたかふぇ&ほーるwith遊なんですね。お店の名前は、子供の頃言っていた「○○ちゃんあーそーぼ」が由来と伺いました。

田辺 遊びたいと思っても、今って大人が遊ぶ場所が少ないでしょ?みんなが集まる場所って、必要だなと思ったんです。子供だけじゃなくて大人が遊べる場所を作りたかった。みんなが、好きなことをやれる場がほしいな、と。そこで夫婦二人の得意分野を活かそうとホールとカフェの営業を始めることになった。

―みんなに楽しんでほしいという、おぎの湯のときと同じ想いなのですね。

田辺 コーヒー一杯の値段で、コーヒーだけでなくほかにも楽しいことがあったというふうになれば。どれだけ付加価値、おまけをつけるかだよね。そして、コミュニケーションも、銭湯のときから変わらず大事にしていること。みんなに楽しんでもらいたいっていう気持ちは変わらない。

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―多目的ホールには、グランドピアノや液晶テレビ、100インチの大型スクリーンもあるのですね!ここでは、どんなイベントを開催しているんですか?

田辺 生ライブもOK!100インチの大型スクリーンでスポーツ観戦や映画の上映会もできるし、コンサートやライブはもちろん、iPadなどの教室や大人が楽しむ講座、いろんなイベントを開催しているよ。

人の繋がりが次々と生まれるのが楽しみ!

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―わぁ!面白そう!どんどん人との繋がりができそうです。

田辺 うん。ここでみんなが繋がっていくのが、何より嬉しいんだよね。荻窪音楽祭や阿佐谷ジャズストリートの会場にもなり、イベントに参加した人が、今度は自分がイベントを開催しようかなと思う。そんなふうにどんどん繋がっていくの。

―田辺さんとお話していると、ワクワク感がビシバシと伝わってきます♪田辺さん自身が、何より楽しんでいるからこそ、いい雰囲気が生まれるのだと思います。

田辺 子供のときから、祭りごとやイベントが大好きで。楽しいからやっているという感じ。腹いっぱい、喜びで満たされる。それは考えてできることではなく、ハートの部分でお客さんとのふれあいがないと難しいんだよね。

―きっと、お客さんにも、そんな田辺さんの想いが伝わっているのですね。

田辺 言葉だけでは伝わらないものって、色々あって。例えば、接客態度や表情だったり。そういったいろんなもので、こちらの気持ちや想いが伝わるんだと思う。これって、一日でできることではなく、時間はかかることではあるけどね。

好きなことをして喜んでもらえるのは、この上なく幸せ。そして、好きなことができるのは、家族やお客さんたちみんなの支えがあってこそ。だから、まわりのみんなには本当にありがとう!という気持ちです。

―本日は、素敵なお話をありがとうございました!先ほどいただいた秋冬限定きりたんぽ、とっても美味しかったです。

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「心のバリアフリー」をモットーにしているという、田辺さん。気さくに迎えてくれるから、地域の人じゃなくても誰でも居心地よく感じるはず。次はここに誰と来よう?とワクワクしてくる。きっと私のように、楽しいことをしたい人がここに自然と集まるのだと思う。

かふぇ&ほーる with遊

〒167-0051杉並区荻窪3-46-13-101
Tel・fax:03-6661-2336
HP:http://cafewithyou.web.fc2.com/

営業時間:10:00~23:00
Caféタイム:10:00~19:00
ランチ:11:30~14:00
定休日:月曜日

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