この人見たことある?黄色い路上グチ聞き師、グッチ菊三さんの秘密にせまる!

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高円寺駅の南口から、線路ぞいに歩くこと数分。
パル商店街と交差するようにかかるJR高架下へ向かうと、その路上にはじつに高円寺らしい光景が広がっています。

弾き語りをするミュージシャン、絵を売る画家…

高円寺のJR高架下は、路上アーティストたちがそのパフォーマンスを披露する場所として有名なのです。

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そんな中でも、全身黄色い服を着た、ひときわ目立つ男性がいるのが見えてきました。

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立て看板に書かれているのは「グッチ菊三の無料グチスポット! 無料で愚痴聞きます!!」。
こ、この人はなんだ? 気になる…

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彼の名前は「グッチ菊三」さん。ここ高円寺のJR高架下で、お弟子さんである「あっちゃん」、「イマイさん」とともに、通行人のグチを無料で聞くという活動を毎週末1~2回ペースで続けているのだとか。

謎の多いグッチさん…これはぜひお話を聞いてみるしかない!

そんなわけで、グッチ菊三というキャラクターの誕生秘話、いままで聞いてきた個性豊かなグチの数々など、その秘密にせまってみました。

NHKのドキュメンタリーで観た2人組の青年にあこがれて

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―今日はよろしくお願いします。すごく気になるのですが、どんなきっかけで「路上でグチを聞く」という活動を始めるようになったのでしょうか?

グッチ そうですね、じゃあまずは、この活動をはじめる前の話からしていきましょうか。

私はもともとカウンセリングの勉強をしていました。人の悩みや相談を聞くのが好きで。それで、以前は高齢者相手の傾聴ボランティアをやったりしていたんです。

けれど、お年寄りは夜よりも昼に話をするほうが都合いいのだけど、私はお昼仕事をしているので夜のほうが都合よくって、なかなか時間が合わなくてね…その活動は2年くらいでやめちゃいました。

それで、次はどんな活動をしていこうかと思った時に、ふと昔NHKのドキュメンタリーで観た「大阪で路上グチ聞きをしている2人組の青年」のことを思い出したんですよ。

―そんな人たちが! 路上グチ聞きのパイオニアがいたんですね。

グッチ そう。だいたい5~6年くらい前だったかなあ。
放送を観ていたときも「すごく面白そうだな。やってみたいな」と思って興味があって。
それで、せっかくなら次はこれをやってみようかなと考えたんですよね。

極寒のなか、なかなかお客さんが立ち止まってくれない そこでとった方法とは?

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―そこからついに、グッチ菊三としての歴史が始まるわけですね!
ちなみに、全身黄色い服を着ていて、すごく目立っていますが、その服を着るようになったのは何か理由があるんですか?

グッチ はじめは普通の地味な服を着てやっていたんですけどね。
きっかけになったのは、路上での活動をスタートしてからむかえた、初めての冬。
もう、路上はとにかく寒くてね…だんだん人がこなくなっちゃったんですよ。
12月、1月、2月ずっと活動しても、5分だけしゃべるお客さんがトータルで2組だけとか。そんな状況でした。

―か、過酷すぎるエピソード…それがなぜ、黄色い服を着るきっかけに?

グッチ どうにかして人に来てもらいたいと思ってアイデアを練っていたときに、「派手な服を着て目立てば、もっとお客さんがふえるんじゃないか」と思いついて。
当時、黄色のジーンズを持っていたので、ためしにそれを履いてやってみたらお客さんの入りが少し良くなったんです。

―へえー!驚きです。見た目のインパクトって大事なんですね。

グッチ 「これはいい!」と思って、どうせやるなら全身黄色にしてもっと目立とうと、どんどん派手になっちゃった(笑)。
黄色は幸福を象徴した色でもあるし、気にいっています。

グチを聞いてきた人数は4ケタ台!なかでも印象的だったグチとは

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―それだけ長く活動をされていると、グチを聞いてきた人数もすごいことになっていそうですが、だいたい何人くらいなんでしょうか?

グッチ うーん、間違いなく1,000人は超えていると思いますね。

―1,000人! とんでもない数ですね。
それだけのグチを聞いていると、びっくりするような内容のものもありそうですが、印象に残っているエピソードとか、ありますか?

グッチ 最近いらっしゃったお客さんだと、つきあっていた彼氏のことを“におい”が原因で嫌いになっちゃった女性とか、いましたね。

―えっ!? それは、ちょっと不衛生だったとか、そういう話ですか?

グッチ いえ、ぜんぜんそんなことはなかったらしいんです。けれど、不思議な体臭がする彼氏だったらしくて。

その女性は、彼氏の側から告白されて、つき合うことになったそうなんです。
もともと友だちの期間が長くて相手のことがよく理解できていたのと、趣味が合うのもよかったみたいで。
付き合うことになった直後はすごくもり上がって、お互いの親に紹介するとか、そういう将来の話もしていたらしいんですが…

あるとき、2人で一緒にいるとき彼がくっついてきたときに、「あれ、不思議なにおいがする」って気づいて、それがきっかけで「この人、なんか違うかも」と思ったんだそうです。
それから、急に興味が無くなっちゃって、ほとんど連絡をとらなくなってしまったとか。

―うーむ、女心はよくわかりません… いろいろな人がいるんですね。

これから実現したいこと そして、高円寺への想い

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―これから将来、実現していきたいこととか、ありますか?

グッチ なるべく、いつまでもずっと路上グチ聞きを続けていたいなと思っています。

私はもともとカウンセリングの勉強をしていた人間なので、どこか「カウンセラーでいたい」という気持ちがある。
だから、来てくれたお客さんに「聞いてもらってすっきりしました」とか「自分がなぜ悩んでいるか気づけました」と嬉しそうに言われると、自分のアイデンティティが満たされる気がするんですね。
こんな活動をしていなければ、いろいろな年齢、職業、考え方をもった人たちの話を聞くということはなかなか無いじゃないですか? そこに、出会いの楽しさがありますね。

あと、いつか実現させたいなと思っているのは、「これまで聞いてきたグチをまとめた本を出す」ということ。
こういう活動をしていると、世界中の人たちに伝えたくなるような不思議な話、おもしろい話が本当にたくさんあるんですよ。
「路上でグチを聞くって、こんなに楽しい活動なんだよ」ということを、もっと伝えていけたらなと思っています。

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―そんなに素敵な物語が、ここ高円寺のJR高架下から生まれてきたんですね。

グッチ そうですね。とくに高円寺って独特な人が多いと思うんですよ。音楽関係のお仕事をやっていたり、お笑い芸人の卵だったり。そういう、自分の夢をかなえるために努力をしている人がとても多い。

そういう人たちが路上でパフォーマンスをしているこの高架下は、そんな高円寺らしいエネルギーにあふれているんですよね。
異なる文化や考え方をもった人たちが、互いを尊重しながら共存している。その象徴のような場所なんじゃないでしょうか。

お悩みの方は、ぜひ愛情溢れる高円寺のグチ聞き師まで!

インタビュー中も、終始なごやかな表情で話をしてくれたグッチ菊三さん。
そのお話から伝わってきたのは、グチを話してくれるお客さんへの愛情、そして、みずからが活動を続けてきた高円寺への想いでした。

高円寺駅に立ち寄った方は、ぜひこの高架下に足を運んで、グチを聞いてもらってはいかがでしょうか。
今日もグッチさんは路上で、まだ見ぬあなたのことを待っていますよ!

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