読書と手紙にまつわるお店「Amleteron(アムレテロン)」【秘蔵の1冊、見せてください!第1回】

amleteron
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古書の街と言われるほど、多くの古本屋さんが軒を連ねている杉並。
街なかをぶらりと歩けば、数十年続く伝統ある店から、オープンして間もないポップな外観の店まで、実にたくさんの古本屋さんに出会うことができます。

いずれも店主さんのこだわりが反映された個性的なお店。置かれている本の種類も、お店ごとに全く異なります。

すぎなみlovers編集部では、そんな個性あふれる杉並の古本屋さんが大切にしている「秘蔵の1冊」を調査してみました。店主さんにとっての思い出の1冊、はたまた、びっくりするほど希少価値のある1冊……きっとそこには、語り尽くせないほどのエピソードや想いが詰まっているに違いありません。

第1回は、高円寺駅北口から徒歩2分の場所にある雑貨・古本屋、「Amleteron(アムレテロン)」。果たしてどんな1冊に出会えるのでしょうか。

表紙の絵に一目惚れして思わず購入した「メリー・メリーを追いかけて」

Amleteron three
ー早速ですが、秘蔵の1冊を教えていただけますか?

「メリー・メリーを追いかけて」という本です。1978年に発刊された児童書ですね。今は絶版になっているので、なかなか手に入りませんよ。

ー児童書なんですね!どんなストーリーなんでしょうか?

主人公のお母さんは作家で、毎日喫茶店「メリー・メリー」で本を執筆しているんですけど、主人公はお母さん以外のお客さんを見たことがないんですね。それで「この喫茶店はどうしてやっていけてるのか」と、主人公とその友達が疑問に思うんです。

それを知ったお母さんと店主が、子供たちをからかおうといたずらを仕掛けていくんです。もっと怪しく見えるようにね。でも実はメリー・メリーはカフェバーで、昼間はお客さんがいないけど、夜にたくさん来るから大丈夫というオチでした。

ストーリーももちろん好きですけど、私はこの本の「絵」がとても好きなんです。

ーストーリーじゃなくて絵…?確かにすごく特徴的な絵ですね!ただ、児童書にしてはちょっと不気味な感じもします…。

そうですよね(笑)。ただ、私にとってはすごく魅力的に見えて。小学生の時に、書店でこの本が目に入って、一目惚れしてしまいました。書いているのは、宇野亜喜良(うのあきら)さんという方です。

小学生の時に病気で2〜3ヶ月学校を休んだ時期があったんですが、その時に私は「この人の絵が載っている本を全部買ってきて!!」って親に頼んだんです。アートに関心を持つきっかけになった本でもあると思います。あまり意識したことはないですけど、お店作りにも影響を与えてるかもしれませんね。

伝統ある古本屋さんが減りつつある今。だからこそ古本を扱いたかった。

Amleteron one

ー秘蔵の一冊を教えていただいたところで、お店自体についてもお聞きしたいです。なぜ高円寺に開こうと思ったんですか?

この地域は、古本屋が今以上にもっとたくさんあった場所なんです。今は少し減ってしまってますけどね。地域の伝統を守る、なんて大層なことは出来ないですけど、古本屋が減っている今だからこそ、あえて本を扱うお店を開いてみたいと思ったんです。

ーユニークな雑貨もたくさん並んでいますが、もともと雑貨好きだったんでしょうか?

雑貨を置いているのは、おこがましいかもしれませんが、私が知る素敵な作品を作っているアーティストさんを紹介したいという想いからです。ショップカードのデザインも色んなアーティストの方にお願いしていて、たくさん種類があるんですよ!

Amleteron two

ー可愛い!コレクションしたくなっちゃいます。ところで、お店に置く商品は何かコンセプトを元に決めているんでしょうか?

「読書と手紙にまつわる」をコンセプトにしています。一見して関係ないように見えるものもありますが、すべて、誰かから誰かへのラブレターであり、私からお店に来る方へのラブレターでもあります。そういうことからも、私のなかでは「コンセプトにはまっている」というか、すべて繋がっていますね。

今って、何でもどこでも買えるじゃないですか?だからこそ、このお店にはなるべく他のお店には無いものを置きたいなと思っています。

地域の人たちと緩やかにつながれる場でありたい。お気に入りの本の感想、聞かせてください。

Amleteron four

ーお店を初めてみて、この地域の良さを感じることってありますか?関わる人であったり、地域全体の雰囲気であったり。

ほど良い距離感ですかね。例えば向かいの床屋さんとか、結構こちらの事を見てくださっていて。このお店は私一人なので、たまに夕方の4時くらいに開けることもあるんですけど、「あんた、今から?偉いじゃない!」って言ってくれたり。逆に早終いする時は「もう帰るの?」とか言われたりします(笑)。何気ないコミュニケーションができる雰囲気は性に合っているなと思います。

ーそれでは最後に。お店を利用してくれる地域の方々にとって、どんな場所でありたいか、お聞かせいただけますか?

気兼ねなく本の感想を言い合えたり、お店に置いてある雑貨についてお喋りできるような場所でありたいです。

お客さんに「本の感想、聞かせてくださいね」って言うと、わざわざ話に来てくださることもあります。他のお店で買った本の感想を言いに来る方もいたり(笑)。私もその本について話したかったから、嬉しかったですよ。

そんな風に、好きな作品への想いを共有できる場所になれたら嬉しいなと思います。

ー気軽にお話できる雰囲気があるのは良いですね。本を通じたお客さんとのコミュニケーション、素敵だなと思います。本日はありがとうございました!

Amleteron(アムレテロン)

Amleteron six

所在地:東京都杉並区高円寺北2-18-10
TEL:03-5356-6639
営業時間:14:00〜20:00
(ブログにて要確認)
定休日:不定休
ホームページ:http://amleteron.blogspot.jp/

(取材・執筆/松田北斗 編集・カメラ/岡田萌香)

第二回へススム。
ジャンル豊かな古書の宝庫「コンコ堂」【秘蔵の1冊、見せてください!第2回】

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